先日、ESTA(米国渡航認証)を取ろうとして、見事に失敗しました。
正確に言うと、申請の途中でうっかり「公式そっくりの代行サイト」に入り込んでしまい、本来40ドルちょっとで済むはずの手続きに、2万3千円も払ってしまったのです。
お恥ずかしい話なのですが、今日はこの失敗そのものよりも、そこから立て直していった「過程」のほうをお話ししたいと思います。
事の発端は、「2年前に取ったESTA、まだ有効だったかな?」という小さな疑問でした。私はその確認から、申請の作業を、AIと対話しながら進めていきました。
まず、過去のメールを探してもらって、前回のESTAがいつ切れたのかを確認する。
次に、申請フォームを一画面ずつ一緒に確認しながら、入力ミスを直していく。途中で予約したホテルの情報が必要になれば、Agodaの予約メールから住所と電話番号を拾ってもらう。
メールの中身、申請サイトの画面、ホテルの予約情報——本来ならバラバラに散らばっていて、自分で行ったり来たりしながら頭の中でつなぎ合わせる情報を、AIが横断して扱ってくれる。
「あのメールに書いてあった番号」と「この画面に入れるべき項目」が、対話の中で自然につながっていくのです。
私は一つひとつ「これをやって」と指示を出していたというより、状況そのものを預けて、一緒に考えてもらっていた感覚に近い。
……と、ここまでは実にスムーズだったのです。
問題は、この後に起きました。
申請を一度中断して、再開しようとしたとき。検索から、うっかり別のサイトに入ってしまったのです。
(さっきは、AIが教えてくれたサイトを開いたのに、自分で検索してしまって)
ここで、ESTAの申請につきまとう「落とし穴」の話をさせてください。
ESTAは、米国政府の公式サイトから40ドルちょっとで申請できます。
ところが、ネットで「ESTA 申請」と検索すると、検索結果の上のほうに、公式とそっくりな見た目の「代行サイト」がいくつも並んでいるのです。
これがなかなか巧妙で、デザインも入力フォームの流れも本物そっくり。
日本人はこちら、みたいな案内になっていて、
さっき、いろいろ入力した画面よりこっちの方が楽じゃん!とか思ってしまって・・・
「申請が承認されました」「書類が不足しています」といった、いかにも公式が言いそうな表示まで出てきます。
手数料を大きく上乗せして代行するサイト、見た目だけでは本物と区別がつかない。
私は画面の指示通りに進めて、気づいたらカードで決済まで終えていました。
(あれ?ちょっと高いな?って思ったのですが、ついつい)
あとで「あれ、公式って40ドルくらいじゃなかったか?」と引っかかって、ようやく代行サイトだと気づいたのです。
さて、ここからのリカバリーでも、AIとの協働が効きました。
「これは公式じゃないかもしれない」という違和感を投げかけたら、AIが、決済メールの差出人、サイトの運営会社、料金の不自然さといった情報がすぐに並んで、「やはり代行サイトですね」と確認が取れる。
そこから、返金請求のメールを英文で作り、カレンダーに「返金確認」のリマインダーを入れるところまで、流れが途切れないのです。
メールも「丁寧な文面」「強気の文面」を作ってくれて、最初は「丁寧な文面」で、返事次第で「強気の文面」で出しましょうって提案してくれて、なんて心強い!
メール、サイトの画面、予約情報、カードの明細。
本来あちこちに散らばっているものを横断してつないでくれるから、私は「次にどう動くか」の判断に集中できる。
もちろん、最終的な判断は全部こちらがしています。
「このサイトは怪しいな」と気づくのも、「チャージバックすべきか」を決めるのも、私自身です。AIが代わりに決めてくれるわけではありません。
でも、判断するために必要な材料を、あちこちから集めて、整理して、目の前に並べてくれる。
そのスピードが、一人でやっていた頃とは比べものになりません。
これって、コーチングの現場で起きていることと、どこか似ているなと思うのです。
私たちコーチは、クライアントの代わりに人生を決めることはできません。
決めるのは、いつだってご本人です。
でも、散らばった思考や感情を一緒に整理して、「今、何が起きているのか」を見えるようにすることはできる。
判断の質が上がる場を、一緒につくることはできるわけです。
AIとの協働も、それに近いのかもしれません。
決めるのは人間。
でも、決めるための土台を整える作業は、ぐっと楽になる。
最後に、今回の失敗からの教訓を改めて。
みなさん、ESTAは必ず公式サイト(esta.cbp.dhs.gov)から申請してくださいね。
公式での申請は無事に承認され、代行サイトへの返金交渉も、その日のうちに着地しました。
(11ドル返金処理にかかりましたが、その分いろいろ気づけたので良しとしよう)
失敗はしましたが、立て直しはずいぶん速かった。
その速さを支えてくれたのが、今日お話ししたAIとの協働でした。